かわいい子には。 (ページ12)

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#幼馴染ページ12

(母side)

この子が生まれてすぐ、私の夫は事故で亡くなった。

どうやって生きていけばいいのかわからなかった。

でもね、あなたは私のことを見て、私の手を握りながらふふって笑ったの。

赤ちゃんってすごい。

そう思った。

それからずっと、あなたの成長だけが楽しみで。

そんなある日、私に病気が見つかった。

5年後生きているのが、限りなくゼロに近い。

そう言われて、ただ泣くことしかできなかった。

そんな時、私の幼馴染が噂を聞きつけてかわからないけど、

私のところに会いに来てくれた。

『大丈夫。俺がなんとかする。』

なんとかするってどうするのよ。

そう思ったけど、おつかいに行かせたあなたが持って帰ってきたのは、

さっきまで買いたいと言っていたお菓子ではなくて名刺。

その瞬間、あんたが考えてた意味がようやくわかったのよ。

「ねえ、ひで。…ありがとう。」

滝沢『別に。強引なやり方でごめんな。

…Aのことは任せておけ。

…それと。お前のことも必ず助けるから。』

そう言う姿が、昔、私を守ってくれた姿と重なって。

幼馴染は今も昔もずっと、頼りになる存在だった。

だから…私も必ず助かると信じてる。

…頼りにしてるよ。ひで。

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