言えることと、言えないこと ページ23
「熱、？」
おでこに手を当ててみても手が温かいから意味ない。
体温計、体温計……。
無機質な機械音が知らせたのは37℃。
私はもともと平熱高いほうだから別に大丈夫だろう。
てか、多分私のことなんて気に留めもしないと思うから。
.
「おはようございまーす」
桃「おはよ、Aにしては遅かったね」
「うん。ちょっと電車が遅延してて」
遅延なんかしてないけど。
黄「そっか、もう練習始めていい？」
「うん。大丈夫だよ！」
多分熱も下がってきたはず。
………こんなハードだっけ。
振りがあまり頭に入ってこない。
岩本くんのお手本がスローモーションに見える。
「はぁ、…っ、」
息切れ早すぎでしょ。
そう思えるくらいには意識ははっきりしているけれど。
黄「Aもうちょっと早く移動して」
「あ、ごめん」
へにゃへにゃする。
体がうまくコントロールできない。
でも、そんなことを察されたらまた注目される。
踊ることも歌うことも好きではないけど得意だから。
大丈夫、大丈夫、だいじょうぶ。
橙「てるにぃ無理やでぇ。今回の振り付け……」
黄「康二焦んなくて大丈夫。一旦休憩にしよう」
休憩、だ。
ソファに飛び込んで水を喉にいれる。
喉、痛すぎ。
黒「珍しくAも息上がってるね」
「う、うん。ちょっと最近忙しかったからかなぁ……あはは」
目黒くんの話も上手く聞けない。
というか、聞こえない。
黄「練習再開するぞー。みんな位置につけ」
フラフラと覚束ない足で位置につく。
エイトカウントの音が脳内に直接響いて少しだけうるさい。
踊っている私の隣はハキハキ、キレキレしている。
振り覚えが遅いなんて嘘だ。
こんなにも踊れているじゃないか。
倒れる、と思った。
足からどんどん力がなくなっていって
重力が真っ逆さまになったみたいに
…………。
床、冷たくて気持ちいい。
そんなこと、言ってる場合じゃない。
ちゃんと立って
練習、
ダンス、
立ってよ。私の身体。
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ゴマ団子(プロフ) - コメントありがとうございます！歴代であまりコメントが来なかったのでコメント嬉しいです！書き終えたあとにもう一度メインストーリーを見るとやはり理解が深まった気がします！続きを書くか迷っておりますが何回でも読んでくださいませ(*^^*) (4月30日 23時) (
レス) id: be5f4b3a72 (このIDを非表示/違反報告)
夜長王(プロフ) - すみません、類が出てきてコメントするか迷ったんですけど後書きで25のメインスト参考って書いてあってついコメントしてしまいました。奏とまふゆの関係性だーとなりました。シリアス味があってとても続きが気になる作品でした。ありがとうございます！ (4月29日 20時) (レス) @page36 id: 5051543c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：皇-sumeragi- | 作成日時：2024年4月7日 22時
