紅一点×SnowMan⑩ (ページ33)

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関係者の駐車場に車を停めて、彼に連絡する。

LINEを送ったらすぐに既読になり、
電話がかかってきた。

『もしもし？ごめん、どの辺だろう。』

「えーっと、、、。Ｄエリアって書いてある。グレーの車で、小さくライト付けてるんだけど、、、。」

『ごめん、今反対方向にいるわ。急いでそっち向かうね。』

「慌てなくて大丈夫だよ。」

タンタンと彼が走る音が電話越しに聞こえる。

ここ、出入り口から遠かったのか。
いつも車が少ないし、停めやすいのはそれか。

『あっ。これかな、、、。ポルシェ？』

「うん。そう。」

彼らしきシルエットが見えたので、
軽く手を振るとやっぱりそうだった。

車を降り、彼を待つ。

『ごめんね。わざわざ迎えに来てもらって。』

「ううん。近かったし。今日車なこと言っとけばよかったね。」

『ううん。勝手に普段からマネージャーさんが送迎してくれてると思ってた。』

「そんな時もあるけど、今日は割と近場での仕事だったから。」

『なるほどね。』

高杉くんはそう言って、
手元に持っていたアイスコーヒーを1つくれる。

「ありがと。あ！私これ好きなやつ。」

『ほんと？良かった。俺も好きなんだよね。』

「おいしいよね。どうぞ、乗ってー。」

『お邪魔します、、、。』

私も運転席に乗り込む。

『まさかポルシェで迎えに来てもらうとは思ってなかったよ。女の子の車に乗るの、初めてかも。』

「免許取ってからずっと乗ってるの。だから結構年季入ってるよ。ちなみに私はメンバーを乗せてるから初めてではないかな。」

『あっ。そうだよね。みんな乗るの？』

「うーん。特に多いのはペーパー組と無免許組かな。あしにされてるかも。」

『Aちゃんをあしに使うとか贅沢。』

そんな話をしながら笑い合っていたら、
車に乗り込んでから10分以上経っていた。

「あ。つい話し込んじゃった。どこにする？」

『あ。そうだよね。車止めやすいところでしょ？』

どうしようか。と2人でうーんと考え込んでしまう。

「そしたらさ、」

『ならさ、』

声が被ってしまい、お互いに顔を見合わせる。

「あっ。いいよ。」

『うん。もし嫌じゃなかったら少しドライブしない？どこかドライブスルーにでも寄ってさ。』

「ふふっ。私も同じこと考えてました。」

コロナ禍だし、
こうして話すのが楽しいなと思ったから。

私はシフトチェンジをして、車を走らせた。